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欧米豪インバウンド向け体験プログラムづくり 成功のヒント3 「グループ向け体験のポイント」|観光ビジネスインサイト

Last Updated on 2025-10-26

欧米豪市場に向けた体験プログラムづくりは、日本人向けとは違う観点で考えるべきポイントがあります。特にグループに対しては受入れや販路などが特徴的です。

グループと呼ぶ人数は旅行業界でもシーンによって異なりますが、およそ10名~40名の一般的なケースを考えましょう。

欧米豪グループの種類とその特徴

東京や京都の駅などでよく見かける欧米豪のグループ。一見したところ違いがわかりませんが、その種類は大別して3種類あると考えればいいでしょう。

1 インセンティブツアーやミーティングなどのMICEグループ

インセンティブツアーとは報奨旅行。例えば大企業メーカー等が優秀代理店の方を招いて訪日旅行を実施するなどの「招待旅行」です。古くから有名なのは北米の日系自動車メーカーの大型インセンティブですが、今ではITや食品、アパレルなど、多種多様な業種を見かけます。

インセンティブツアーはホスト側企業がゲストを招待するわけですが、そのツアーにはもちろんホスト側の企業の人もツアーに同行しているのが普通です。

ホスト側の参加者はつまり「お世話係」としての役割があり、わたしたち催行を主催する側はそのことを認識しておけばプログラムの成功に役立ちます。

つまり、プログラムの催行中、ホスト側の方は私たちにとって重要なお客様であると共に、参加者をもてなすことが最大の目的であるという同じベクトルを持つ協業パートナーでもあります。

その意思疎通が現場でできると、安心と信頼を生むことができます。従って、ホスト側の方の情報が予め解れば非常に役立ちます。

その情報を予約の段階で聞くのはどこでしょう?予約元のランドオペレーターの担当者の方です。

実はランドオペレーターの多くの方は、体験サプライヤーにそのようなことまで期待していませんからいちいち事前に説明はされませんが、聞かれたら「この人、わかってるなあ」と教えてくれたりします。

そこで生まれるのは体験サプライヤーとランドオペレーターの信頼関係です。ランドオペレーターにとっては体験そのものの魅力はもちろん大切ですが、それ以上に必要なのが「催行現場の信頼」なのです。

ランドオペレーターと体験サプライヤーからすればお金を全て支払ってくれるのはホスト側なのですが、最も重要なミッションはホスト側のVIPである参加するゲストの満足度を高めることであり、協力してそのゴールを目指します。

そのようなインセンティブツアーの参加者はそれなりの地位や年収があるVIPが多いです。日頃のタフなビジネスを離れてリラックスする旅行ですからプログラム前夜に仲間と深酒・・・なんてことは日常茶飯事。

寝坊で当日キャンセルや到着遅れも必ず出てきますが、全て想定内で受け入れる必要があります。もちろん、参加がなくても人数規模にかかわらずキャンセルポリシー通りの費用は支払われます。

サプライヤーでは、遅れてこられていちいち腹を立てる方もいらっしゃいますが、それでは欧米豪のVIPグループは扱えないと言ってもいいでしょう。

催行3時間予定を2時間に、或いは1時間に短縮するバージョンすら準備するべきと私は考え、サイクリングツアーでも常に短縮バージョンを想定し、実際に何度もそうした対応に成功しました。

ではインセンティブではないミーティング(社内会議+旅行)のグループはどうでしょう?その多くは同じ企業の社員で構成されることが多く、ホスト、ゲストの関係はありません。

その場合、体験サプライヤーがしっかりケアすべきはもちろん、その企業のトップや役員になるでしょう。特別な設えは必要ありませんが、アイコンタクトぐらいはして歓迎の意を表するべきでしょう。

もちろん、そうした世界的にも立派な会社のトップの方たちは社員ファーストの感覚も持っておられますから、あまりベタベタせず、社員の方を楽しませることが大切なのは言うまでもありません。

インセンティブツアーとは違った社内でのホスト、ゲストの関係です。ここまでのケアができれば、体験サプライヤーのマーケティング担当者としては高いレベルでのビジネスと言えます。

ランドオペレーターの担当者も、そうしたレベルで受け入れしてくれる事業者は信頼を置けますから、グループをリピート利用してくれることが多く、体験事業者のビジネスにとっても大切なことです。

その他、MICEのC(Convention)とE(Exhibition)つまり学会や展示会は?と思われる方もいらっしゃるでしょう。

これらは開催規模が大きいものもあり、数百~千名単位が2,3日間の日程で開催地に滞在することもあります。

特に学会は開催期間中全ての日程に会議場にいるわけではなく、観光プログラムを利用する方は多く、その地の体験プログラムへの参加は多いに期待が出来ます。

但し、グループでまとまった行動ではなく個々で実施されるため個人客扱いになることが多いでしょう。

2 SIT(Special Interest Tour)

SITは厳密には「仕事の関係者のグループ」と「一般の募集のグループ」がありますが、業界でも総称して呼ぶことが多いです。

例えば、仕事関係の集まりでは京都では「建築関係」のグループは古くから多く存在します。

京都は歴史ある寺社の他、明治大正と言った近代レトロ建築や伝統産業。また、京都駅を代表するような現代建築など見どころが多くあります。

メンバー構成は建設や土木の現場、設計士やデザイナーなど業界の協会が主催するような集まりもあります。盛んな地域は昔から欧州からのグループが多いです。

一般レジャーの募集ツアーはグルメやアート、健康など、幅広いジャンルの関心(interest)をテーマに日本のそれらを組み込みながらのテーマ旅が多いようです。

ヨガが趣味のグループのサイクリングツアーでは、コース中に40名が円を描いてヨガができる公園を組み込むことが条件となり、嵐山に行くコースに川沿いの広い公園を組み込んだ経験もあります。

こうした同じ業界や知った仲間でのSITツアーは雰囲気ができていますが、一般の募集ツアーは参加者同士がまだ打ち解けていない場合もあります。

そのような時は、うまく場を馴染ませて盛り上げることもプログラムの成功の鍵となります。

3 教育旅行

特にオーストラリアの中高生混合の日本旅行は盛んであり、現地の旅行会社も注力しています。

1つのグループに複数の先生が引率し、その多くが日本語も話してくれますから体験内容によっては先生が通訳を担当してくれることもあります。とにかく先生ですからその仕切りには助かります。

訪日で大切にしているのは日本の文化や暮らしについて見聞を広めること。街中で見えるものをいろいろ生徒に教えています。

そういう意味で体験プログラムとしては伝統的な文化体験や日本の産業としての農漁業体験なども好まれるでしょう。サイクリングで街を見学するツアーは人気でした。

オーストラリアは欧米豪の中でも現地の旅行社の直予約指向が高く、現地の旅行会社との関係づくりも必要です。

毎年秋に日本で開催されるVISIT JAPAトラベル&MICEマートには多くのオーストラリアバイヤーが参加しますから、ターゲットにしたい場合はアポイントメントのリクエスト調整をするといいでしょう。

支払いは日本各地での手配にも慣れているため、日本国内の提携オフィスから国内の銀行振込で行うケースも少なくありません。或いはクレジットカードでの対応でしょう。

とにかく対象が子供たちですから、安全第一でアウトドアなどでは体調管理や緊急対応を万全計画することが重要です。

このように、様々な欧米豪グループが存在しますが全て同じではなく、その種類によって参加する人たちの関係や目的などが違ってきます。

その実行にはやはりBtoBビジネスに対する豊富な知識と実践が必要となります。いずれは、BtoBとは、「BtoBtoBtoC」であることが理解できるでしょう。

ホストとなる体験サプライヤーにこうした知識があればより高度なインバウンドビジネスを展開するチャンスにも出会うことができるはずです。

個人客とは全く違う欧米豪グループの販路

ここまで見てきた欧米豪グループの多くは来日行程を一括して日本国内のランドオペレーターに業務委託することが多いです。

同じ欧米豪客でも個人で集客するとなれば体験販売サイトや自社サイトで個々に受注しなければならず予約管理の手間がかなり多いですが、グループのメリットはそれらの管理が大きく軽減できることです。

また、直近予約が多い個人客に対して、グループは催行日のかなり前から予定が組まれるために体験の販売計画がとても立てやすくなるのもメリットです。

加えて決済も国内ランドオペレーターであれば国内決済で一括で可能です。取消しや遅延リスクはキャンセルポリシーをしっかり設定すれば決済リスクはありません。

最後に、これが最も大きなメリットだと私が思うことは、SITグループなどは年間のシリーズも多く、設定される企画によっては年間に数十本のシリーズもあります。

しかも、そうした海外の旅行社への営業や取り引きが一体験サプライヤーで実施することは費用面からも現実的ではなく多少の手数料など十分に価値があります。

もちろん、そうしたグループの集客は募集によって人数は変化しますが、その手仕舞い日(最終の予約人数確定)をしっかり設定すればある程度の受注を長期間で読めるので大変メリットがあります。

更に、SITでなくとも他の単発のインセンティブグループの案件だとしても、そこで安定したハンドリングを行い、しっかりとランドオペレーターに情報や報告をフィードバックすれば相互に信頼関係を築くことができます。

そこで生じるのは、お客様は変われども担当者がリピート利用をしてくれるというとても有り難いメリットです。

「欧米豪客は一期一会、リピートはしない」など言う人もいますが、同じ人はリピートしなくても、同じ集客ソースでの欧米豪客はリピートするのです。

どちらかと言えば、個人客しか視野にない体験事業者がとても多いですが、メリットがとても多いBtoBマーケティングも欧米豪グループビジネスには存在することを是非知って、キャパがある事業者はチャレンジされるといいでしょう。

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