Last Updated on 2025-11-27
前回まで欧米豪ランドオペレーターとの協業について様々にお話ししてきました。
最後に大切なことに触れておきましょう。「料金設定」についてです。
体験プログラムの値付けについては以前にお話しした通りで、ここではランドオペレーターとの契約に関する料金設定について考えていきましょう。
ランドオペレーターの収益源は会社によっては複数ありますが、旅行会社としてのコアビジネスは旅行素材をサプライヤーから仕入れて販売するトラベル事業つまり「手数料」であることはご存じだと思います。
(もちろん、大手のランドオペレーターは旅ナカ商品(ツアーバスやガイドツアー)を来日後の訪日客に直販するところもあります)
サプライヤーの観光素材を販売した時に発生する手数料は会社によって様々です。また、仕入れる観光素材や個々のビジネススケールによっても異なることがあります。総じて体験プログラムの場合は15%前後が多いでしょうか。
これは体験プログラムの正価に対しての率で、例えばあなたの文化体験の売価が5,000円税別であれば、ランドオペレーターへの手数料は税込み825円となります。
精算を月締めなどでする場合は5,500円から825円を差し引いて、4,675円が請求額です。
サプライヤーは4,675円税込で体験商品を販売した時に原価を差し引いて目標とする利益率で利益が出ていればよいわけです。
しかし、そもそもランドオペレーターを通じた販売を想定していなかった、或いは、そんな方法を知らなかったという場合は、想定していた利益率を下回るかもしれません。
体験サプライヤーは自身のプログラムが育っていき、人気となった時に旅行会社から取扱オファーがあるかもしれない想定で予めこの手数料分は想定した料金設定をするのも賢明です。
ただ、そのプロダクトが訪日客に非常に人気であり、他にはない独自性があるなど、旅行会社が取り扱いたくなる魅力あるものに育った時は「手数料が出せない商品」として交渉することも多くのケースで可能です。
(ランドオペレーターに取り扱いたいと思ってもらえるレベルに向上させることはメーカーとして様々に強みを発揮できるということです)
国内旅行を扱う旅行会社の流通と違い、買い手は海外バイヤー(海外の旅行会社)であるため、さまざまな旅行素材を包括してたパッケージの個々素材の料金は解りにくいものです。
余談ですがランドオペレーターの担当者たちはそうしたこともあってか、あまり細かいことは言わずザックリ感のある付き合いができる人たちが多いように私は感じます。
(国内の旅行社との交渉は結構シビアなことが多く、同じ旅行社でも風土の違いを感じます。)
但し、そうした割とざっくりとした取り引きは、あまり細かい数字が出ない団体の場合が多いとも言えるでしょう。また、当然ながら海外との取り引きですから為替により海外バイヤーは支払い金額の変動もあるでしょう。
比較的に料金が大まかな団体に比べて個人旅行では1人当たりの料金のブレイクダウンも解りやすく見えやすくなります。
個人旅行商品は行程全体を包括して販売するパッケージツアーもありますが、シンプルな「ホテル&エアー」といったダイナミックパッケージを販売するランドオペレーターも多いです。
その場合、体験プログラムは旅の味付けとして「オプション販売」されることとなり料金が明確です。
昨今、Webで全ての日本現地の情報が海外でも見えますから、あなたのそのプログラムが5,000円で販売されていることも細かい海外の担当者はチェックもするでしょう。
ランドオペレーターは実際に手間をかけて手配(仕入)と予約管理をするわけですからその手数料を海外バイヤーにサプライヤーが直販している額に乗せて提示することも可能ですが、昨今は旅行社同士の競争もあり費用に細かくもなっています。
その場合、非常に細かいですがランドオペレーターと海外バイヤーでサプライヤーが提示する手数料を折半するということもあるようです。数百円と小さな数字でも年間に数百、数千名を扱う旅行会社はいくらでもあります。
しかし、これほどにインバウンドが増加した今、個人の体験を手配することはランドオペレーターにとって手数が多い割に利が薄いものです。予約だけではなく変更やキャンセルなどの予約管理を考えるととてもペイできません。
加えて体験OTA(体験販売サイト)も複数あり、個人旅行についてはこうした体験販売サイトとサプライヤーのWebサイト直での利用が現実的とも考えられます。
このように体験サプライヤーにとって欧米豪ランドオペレーターとの協業で最も価値を発揮すると言えるのはグループ案件と言えるでしょう。
中小零細が多い体験サプライヤーではリーチできない海外のグループ案件を扱えるメリットは相当に大きく、加えて、それらは年間のシリーズも多いわけです。
日本人気の今では、年間に10本や20本が設定されているシリーズも少なくありません。1つの契約で年間に500や600名、或いはそれ以上の欧米豪インバウンドの集客を果たすわけです。
私の仕事では京都郊外におけるDMOで山間部の観光地でもない場所に欧州グループが年間数百名も訪れますし、何よりもかつての自転車観光時代はランドオペレーター経由でそれ以上の受注をしています。
これらは全てランドオペレーターなしでは成し得なかった仕事ことばかりです。
インバウンドがこれほどに一般的になっても何故か訪日客個人にばかり焦点があてられる事業や指南が多いです。
しかし、本当のmarketing-activity-6
ランドオペレーターへの手数料が高いとかもったいないなど、まるでオペレーターが公共事業のように言うサプライヤーの人もたまにいます。翻せば、こうしたインバウンドの流通もよく知らないから言えるわけです。
遠い北米や欧州の年間シリーズのグループなど、日本の1社のサプライヤーがいきなり交渉して案件を獲得できるわけもありません。
ランドオペレーターは費用を投資し。それらを生で渡航し営業しバイヤーとの信頼を長期間使って築き、はじめてその案件があるわけです。手数料など当たり前であり妥当な利率だと感じます。
あなたの体験ビジネスにキャパがあり欧米豪グループをターゲットにしたいとお考えであれば、スキルを上げ、その市場へチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
MTBSではそうした体験ビジネスのフォローも実施しています。
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