Last Updated on 2025-04-10
ホテル、飲食店、体験プログラムに観光スポット。Webで訪問先選びをする時に多くの人が参考にするのが「口コミ」です。かつて「行ってみないとわからない」旅行先の様子はWeb投稿でたちまち全国、世界へ。観光事業者にとっては気を抜けない厄介な存在とも言えますが今の時代うまく付き合っていかねばなりません。
しかし、口コミは高評価をいただければ強い味方になります。決してネガティブな捉え方をせず、その管理をルーティン業務化し、自社の商品力や接客力の向上につなげていきましょう。
ホテル、飲食店、体験プログラムに観光スポット。Webで訪問先選びをする時に多くの人が参考にするのが「口コミ」です。かつて「行ってみないとわからない」旅行先の様子はWeb投稿でたちまち全国、世界へ。観光事業者にとっては気を抜けない厄介な存在とも言えますが今の時代うまく付き合っていかねばなりません。
しかし、口コミは高評価をいただければ強い味方になります。決してネガティブな捉え方をせず、その管理をルーティン業務化し、自社の商品力や接客力の向上につなげていきましょう。
「うちにはどんな口コミがあるのだ?そんな大した影響はないだろう」というような経営幹部の方も見受けられます。経営層が世代的にWebにあまり馴染みがない場合、口コミは正に放置されているところも実際にあります。
しかしその評判は全国、世界を駆け巡っているわけですから間違い無くリスキーです。
そうしたWebに馴染みがない方は、プライベートでもパソコンの活用頻度は高くなく口コミ投稿等に触れる機会も多くありません。従って、その影響力をイメージできないのは当たり前かもしれません。(Amazonなどで買い物もされない方もまだまだいらっしゃいます)
一方、別の視点では組織の中での口コミの扱いの難しさが隠れていることがあります。現場の商品やサービスの悪悪評は管理職にとっては厄介な問題ですが、そうした経営者層が気付いていないこともありますが、積極的に知らせることはまずありません。こうして、口コミ管理がなされていない会社は社内で対策が遅れていきます。
口コミが消費者行動にどれだけ影響しているのか?ということは検索していただければ統計や調査もありそれを見ていただくとして、ここでは簡単に口コミの身近さを感じてもらうため口コミ投稿ができるサイトを少し並べました。

恐らくこれらの多くのサイトをご覧になったことがあるでしょう。Amazonでは、初めて買う商品は口コミを見ずに買い物をすることはなくなりました。ホテル選びではOTAやGoogleビジネスプロフィール(Googleマップに連動)の口コミを少し読み込みます。無頓着な方もいるでしょうけど、やはり誰しも快適な滞在の可能性を上げたいです。
ホテルの口コミサイトからはじまったトリップアドバイザーには今や体験サービスや飲食店、入場施設など世界の旅ナカコンテンツの多くが掲載されています。特にインバウンド市場における流行を生み出してきたのは間違いなく、旅行ビジネスにおいて無視出来ないモンスターサイトです。
そして、昨今、特に重要視する必要があるのが「G」のマーク「Googleビジネスプロフィール」つまりGoogleマップ上の口コミです。特に地図と連動するため飲食店や小売店舗での運用は必須と言えます。
私は昨日、アレンジ花を買う必要があったのですが、口コミを参考にして花屋さんを探し、思い通りの花を買うことができ今後リピーターにもなりそうです。私がこの花屋さんに決めたのはまぎれもなくGoogleビジネスプロフィールの口コミです。
口コミが心理学的に消費者行動に影響を与えていることはマーケティング界でよく知られています。それぞれWeb検索をすると詳しく解説したサイトが沢山ヒットしますので是非ご覧になって下さい。社内に口コミの重要性があまり認識されていない場合、社内のプレゼンにも事例として使えるはずです。
➀ウインザー効果
当事者より第三者の情報を信頼する。 言わば広告より口コミということか。
➁バンドワゴン効果
多く支持されるものを選択する。 人気ものは更に人気に。
➂ハロー効果
商品の顕著な特徴に引きずられる認知バイアス。 高評価が多いとマイナス面が見えない。
生まれた時からデジタル社会であるミレニアルやZ世代が消費の中心となる今後、Web上の「第三者の評価」(つまり口コミ)は今後も旅行・レジャー客の訪問先や消費行動に影響を与え続けることは間違いありません。
「低評価をされたらどうしよう」「そのための対策を決めておかないと」
口コミに対して自然とネガティブな気持ちになってしまうのが生身のお客様を扱う旅行・レジャー産業の悲しい性であり私もやってきましたからとても理解ができます。(クレーム処理は業界の歴史で染みついた業務カテゴリー)
しかし、時代とともにやらねばならない業務として増えたのが口コミの管理業務です。しかし、それを厄介で面倒な作業ばかりと捉えずに「うまく口コミとつきあってプラスの効果も生み出そう」という考えが今の観光ビジネスには必要です。
最後に、今まで、そして現在も、私自身がクライアント共に口コミと付き合っている業務のポイントをいくつか紹介しておきましょう。
➀全社員が口コミの影響力について認識すること
先ほどの私が花を買った時のように、顧客と店舗の最初の接点はWebであることがもはや大半です。しかし、Webを見ただけで購入は決まらず、検討プロセスの中で「他社との比較検討」と「口コミのチェック」が行われることを全社員が認識することが大切です。(中枢だけではなく口コミを稼いでくれるサービスサイドも)
➁毎日のルーティン業務にする
ホテルであれば予約のチェックや入力、本日のチェックアウトやチェックインの準備と決められたルーティンを必ず行いますが、その中に「各口コミサイトのチェックと返信」を入れるべきです。大きなホテルであっても毎日それほど大量の口コミが入ることもなく、その重要性を考えると時間的には取れるはずです。人手が足りないと行っても何日間も返信すらしていないのは怠慢と言わざるを得ません。
➂担当者を明確にする
担当者を明確にしないと誰も率先して口コミチェックなど行いません。また同時に口コミが記載されるサイトによっては「オーナー側からの返信」も行うこととなります。従って、社内でもその権限を移譲できる中堅以上のスタッフが行う必要があります。
もちろん、単に担当者が返信を書くだけでは済まされないシリアスな内容の口コミ(過失のための補償の必要があったり、今後の対策を示すのに大がかりな費用が必要な場合など)の場合は上層部との即座な報連相ができる判断力も求められます。個人の一つの口コミが会社の大きな信用問題に関わることも起こりかねません。
1人の担当者だけでは負担が大きければ「交代シフトの責任者が行う」などの明確なルールをつくりましょう。
➃「返信」することの意味を広く認識する
口コミに対する「返信」は実に難しいものです。内容によってはお客様との関係性や施設側のスタンス(何でもかんでも謝罪すればいいということでもありません)事実確認から今後のベストな対応までを凝縮して文章にしなければなりません。これは中堅以上のスタッフと言ってもやはり慣れとスキルアップが必要でしょう。
また、ついつい投稿されたお客様しか視野に入らないことがありますが、それを今後Web上で読まれる顧客候補の印象に影響を与えることを念頭に置かねばなりません。
高評価の口コミでは安心してしまうのか、投稿者が触れてもいない点まで自慢げにPRしたりする「ちょっと調子がよすぎるなあ」という返信をしばしば見かけ、せっかくの良い評価なのに返信の印象が良いものではありません。
さらに、明らかなコピペ返信や高級ホテルでもないリーズナブルなホテルが極めて丁寧な言葉使いばかりを用いるのも違和感があります。
とにかく口コミへの返信は「クレームが雨降って地固まる」ような、高評価に対しても決して調子に乗ること無く「落ち着いた調子で感謝の念を述べる」ような安定した文章を目指しましょう。
これは非常に難しい作業ですから担当者と共に責任者が必ずダブルチェックをすることを決まりにするのがよいでしょう。また、他の社員が読んで違和感を感じれば指摘し合うルールや雰囲気づくりが大切です。
⑤ 悪質な口コミへの対応(通報など)
GoogleビジネスプロフィールをはじめトリップアドバイザーやOTAなど口コミを掲載するサイトは必ず悪質な口コミに対する施設側からの通報を受け付けます。(多くはメールやWebシステム内での通報となります)
事実とは異なることや、根拠がないクレーム、また、他の施設と明らかに間違って投稿されている(結構あります)などの投稿があった場合は速やかに対応しなければなりません。
口コミのチェックがルーティンワークになっていない。返信業務も行っていない。そうした施設は自社に過失がないような悪評がいつまでもWeb上で晒されていることとなり確実に新規顧客を失っています。全て良識がある良いお客様ばかりではなく時には酷い言葉を投げかける人も必ずいます。正当な理由がなければ削除は難しいケースもありますが、掲載サイトのポリシー違反の場合は私のクライアント企業でも何度か削除にこぎつけています。
例えば、Googleビジネスプロフィールの場合はこちらのヘルプを参照して実行してみて下さい。
⑥ マーケティングに活用する
基本的には自社に対する口コミへの対応がメイン業務ですが、経営者をはじめ企画や営業の担当者は口コミをマーケティングツールとして活用すべきでしょう。私自身、どこかの施設の販促を考える時には必ず時間をかけて実施する作業です。
⑦ 競合施設、店舗の評判をチェックする
ライバル店の評判は調査する必要がありますがそれを手っ取り早く知ることができるのが口コミです。評価の店数や星の数毎に抽出して見ることが出来る場合は「高評価」の口コミだけを見ればよいでしょう。
ライバル店が評価されている点は意外と項目が明らかであることが多く、自社でも真似ができることもあるはずです。また同地域のライバル店だけではなく、ホテルや飲食店であれば、同じカテゴリーや料理ジャンルで評判が良い店を探し口コミ分析を行えば、思いつかないサービスやメニューなどの発見もあるでしょう。
これは都市部の激戦区などを参考にすれば店舗も利用客の双方でレベルが高いですから地方店には良い参考になります。特にGoogleビジネスプロフィールではそうした人気店は施設の写真が数多く投稿されているためビジュアル的にも大いに参考になります。地方の垢抜けない店は少なくありませんがこうした作業で思考をリフレッシュしましょう。
⑧ 同地区内の異業種や観光スポットをチェックする
自社と同じジャンルばかりではなく、旅行・レジャー客に人気のスポットや店舗、サービスの評価をチェックすることで大まかな地域での旅行・レジャー客の動きが想像できることがよくあります。(旅客導線の俯瞰)「お客様の自社のエリアでの可処分時間」は有限であることを意識すれば、同業種だけがライバル店では決してありません。
多くの人が向かう人気の観光スポットと自社店舗がどのような位置関係なのか?どのような導線で動いているのか?そこに立ち寄ってもらえるチャンスがあるのか、何もしなければないのか?リアルの集客を検討する大切な材料になります。
また、多くの人が足を運ぶ人気スポットは同時に多くの人がWeb検索をして情報を調べます。即ち、そうした人気スポットの固有名詞を入れてブログを構成するなどWebコンテンツで顧客とのマッチングを画策することも検討すべきです。これは実際に私のクライアントにおいても担当者の努力の結果、Web集客に成功する例がいくつもあります。
⑨ 同業者の酷評だけをチェックしてみる
⑴とは逆ですが、エリアは問わず同業種の店舗やサービスの低評価の内容ばかりをチェックしてみることも時には大切なのは言うまでもありません。クレームとなっている点をそのまま自社に置き換えて点検するだけの作業ですが、想像もしてなかった顧客視点を垣間見ることがあります。備えあれば憂い無しです。
⑩ 行間を読む必要がある口コミ
最後にあなたにとってきっと「あるある」であろうことに触れておきましょう。口コミ内容は非常に高く評価いただき、ともすれば「べた褒め」のようなものがあります。2つも3つも良い点を挙げてくれていて非常に満足された有り難い内容です。それなのに「星は3つ」・・・というケースです。あるあるだと思います。
この文章に記されていない「マイナス2点」を想像することが大切な仕事です。満足したけれど総合的に何かが引っかかっているということでしょう。私自身の分析ではサービスに高い評価であることが多く、恐らくは設備などのハードがもう少し良ければ・・・ということではないかと思うことが多いです。この「無言のマイナス2点」を補うことができればきっと最強の施設になるでしょう。
⑪「無言の口コミ」それが投稿写真
「どこで食事をしようか?」仕事やレジャーで行く場所のGoogleマップを開きあなたは検索窓に「ランチ」や「ラーメン」「カレー」と打ち込みます。旅行先のホテルをGoogleマップで探す人も多いでしょう。
例えば、飲食ジャンルなどではWebブラウザで「ランチ」と検索すればトップにGoogleビジネスプロフィールがMapとセットでヒットすることが多いでしょう。
マップとセットで沢山並ぶビジネスプロフィールの店舗情報であなたは「サッと目星を付ける」必要があります。このサッと目星を付けるという点がとても重要です。Webを閲覧するユーザーがあなたの店舗を「じっくり」見たり読んだりしてくれるのはこの「目星を付ける予選」に残ってからです。
この消費者行動を想像することが出来る店長さんが繁盛店をつくります。
さて、その目星を付けるための情報で最も影響を与えるのは何でしょうか?それはつまりあなたも見るものです。
そう「口コミ投稿の写真」です。
口コミと共に写真を添えることが多いですが、写真だけ投稿する人はそれより多いかもしれません。
その写真の分析は店舗にとって非常に重要です。投稿者が何を言わんとしているのか?は、微妙な写真ほど次に閲覧するユーザーの想像を掻き立てます。
写真のみの投稿への返信は難しいものです。明らかな施設の不備(汚れや破損、古さや使いにくさなど)が映し出されていれば解りやすいですがそのような微妙な写真も少なくありません。無難かもしれませんが、投稿してくれたことへの感謝と(何とは言わず)「参考にさせていただきます」程度のコミュニケーションは必要かもしれません。
飲食店で美味しそうな料理の写真を投稿してくれたらその行為に感謝したいものです。
写真は口以上に語り、影響を与えるものも少なくありません。投稿者の意図を慎重に見る必要を認識しましょう。
口コミの管理や活用について書いてきました。あなたの店舗ではもっと違った活用をされているかもしれません。
今や、旅行・レジャービジネスに大きな影響を与える「口コミ」は今後も消費者の様々な選択の指針となるものです。その管理や活用は経営にとっても非常に重要であり、そこそこの規模がある会社であればもはや「口コミ管理部」があっても決して大げさではないと日頃の業務で私は感じます。
あなたの会社が不十分と感じたら、早速、様々なサイトで自社の口コミ分析からはじめてみて下さい。

