Last Updated on 2025-12-31
クリック率が高く、訪日旅行の行程に影響を与える検索結果の上位サイト。そして、それらの隙間にはGoogleによるの多彩な関連コンテンツがリッチリザルトとして出現します。
訪日客が旅先の情報を調べる時間は、リードタイム(予約から実行までの時間)が長い欧米豪では旅マエにたっぷりあります。
とは言え、アクティビティや食事などは選択肢も多く、来日後の旅ナカで現地の情報も加味して決めることも多いでしょう。
私も京都での自転車アクティビティ時代には、京都での数日間の連泊中や東京滞在中の旅ナカでの直近予約がしばしばありました。
検索結果リサーチにおいて、海外からの「旅マエ」と日本国内の「旅ナカ」の2つの検索結果の違いはあるのか?ないのか? 海外からの検索環境に出来るだけ近いかたちで検証してみます。
※本記事は、主に欧米豪をターゲットとしています
Web検索のリサーチを行う時、Chromeブラウザのシークレットウインドウを使用し、自身の検索履歴の影響をなくすことはご存じだと思います。しかし、それだけで影響を消せないのは「位置情報」です。
しかし、パソコンの位置情報はブラウザのデベロッパーモードの設定で便宜上変更することができます。
今回の検索シミュレーションでは、緯度経度がデフォルトで設定されているサンフランシスコと東京を用いてアメリカと日本の検索結果の違いをみてみましょう。
位置情報の変更方法は以前の記事を参考にして下さい。
検索結果ページでは、出現するWebサイトの上位10位のみ抽出し、Webサイトの発信者の種類を番号で分けました。(表の下に記載)
日本のいくつかの場所でやってみたいと思いますが、先ずは北の北海道から、滞在地を札幌にして検索してみます。
欧米豪の直行便がない(一部の季節便除き)北海道では東京からの国内線利用になることから東京検索も実際に多いと思われます。
「Things to do in Sapporo」
(スマホは横スクロールできます)
1 広告・旅行メディア
2 口コミサイト
3 Q&Aサイト
4 OTA・旅行会社・Lオペレーター
5 日本政府観光局
6 個人ブロガー・その他職業
7 都道府県観光局
8 民間企業 DMC
9 市町村 観光協会
10 その他
ハイライト部分が、アメリカと日本それぞれの検索だけに出現したサイトで、その他は両方に出現したサイトです。
共通して上位にあるサイトにはアクセスも相当に多いと思われます。
アメリカ、東京とも上位3位は同じですが、有名サイトであるJapan GuideとTripadvisorと共に個人のトラベルブロガーがランクインしました。
同じく個人ブロガーはアメリカ検索で4サイト、東京検索で3サイトがランクインしています。その内、双方でランクインしたサイトがもう一つありました。(Warm Cheap Trips)
他の大手や政府、行政サイトを押さえての2位は注目に値します。昨今、Googleは権威性がある有名サイトばかりではなく、コンテンツ品質が高い個人サイト等も再評価しているとも言われています。
もちろん、Googleランキング上位のサイトは、個人サイトでもコンテンツが充実し、リアルな一次情報を中心としたものが大半であり、法人サイトでも簡単には真似できないものでありGoogleから評価されています。
検索結果ページはランキング表示と共に出現する様々な関連も増加傾向にありチェックすべきでしょう。
特にKnowクエリ(何かを知りたい検索)ではAIによる概要表示も増えており今後も注目されています。
それらを少し見てみましょう。
検索結果の最上段にはスポンサー広告が並びます。観光メニューを探すこの検索クエリには「Get Your Guide」「Viator」「Klook」など体験プログラム販売サイトの広告が並びました。
こうした旅ナカ系の会社の広告は多く、提携や広告出稿を検討する日本のサプライヤーには参考になるでしょう。
中段には旅系の個人ユーチューバー、インスタグラマーのショート動画が並びました。SNSは基本的に検索にかからないフローコンテンツですが最近はこのショート動画が検索結果に表示されることがあります。

訪日客の関心が高い分野である食に関する検索をしてみましょう。
「Sapporo famous food」
(スマホは横スクロールできます)
アメリカ、日本共に検索結果トップは旅行と食に特化した専門サイトである「by Food」でした。このサイトの主宰者は日本のテーブルクロスという会社です。
私もよく知らなかったのですが、テーブルクロスという会社は、このサイト運営を主体にして世界の恵まれない子供たちへの寄付活動などを展開して大きな実績を持たれているようです。素晴らしいですね。
特に日本は和食だけではなく、世界中のグルメを日本流に仕上げるなど、その美味しさと品質は各国の訪日客に高く評価されています。
アメリカ検索で2位につけたのは世界最大とも言えるQ&AサイトのRedditの1つの質問ページでした。
Redditは実に東京検索でも3位に出現しています。日本の検索では最近このRedditがAIで日本語に訳され表示されることを見かけるようになりました。
Redditは言わば「口コミ」の集合体のようなものですから、Googleが昨今重視している口コミの巨大なコンテンツとして今後もWeb検索に大きな影響を与えると感じます。(日本の検索では最近Yahoo!知恵袋もよくみかけます)
日本の観光地域やサプライヤーも、定期的にRedditで地域や自社のビジネスジャンルをリサーチすると新たなニーズの発見につながると思います。私もクライアントの地域やビジネスで良いアイデアを得ることがあります。
そして、サンフランシスコ検索では、驚くことに個人ブロガーが10位中、何と6サイトもありました。
東京検索ではさすがに日本のメディアらが検討していますが、旅マエの海外検索では思った以上に現地のネイティブサイトで日本の食の情報を旅客は得ています。
海外での旅マエ検索では日本国内での検索と合致するサイトも多いですが、やはり日本からの検索とは異なる検索結果が出現します。
札幌でシミュレーションしたように特に個人ブログの評価は日本とはやはり事情が違います。日本では検索結果上位に個人サイトが上がる検索クエリは逆に狙い目であるという認識すらあります。
インバウンドビジネスにおいて「旅マエから旅アトのカスタマージャーニーを捉えることが大切」というような話しも見聞きしますが、旅マエの旅客行動を想像するのは難しいものです。
しかし、その行動で多いものの1つは「Web検索」であり、それがどのように旅客の滞在中の行動に影響を与えているか?という検証をすることは価値があることです。
「インバウンド対策をしましょう」と言ってもWebサイトや店頭ポップを他言語化だけが訪日客の全てのマッチングポイントをつくりだすものではないということを団体や組織のマーケターは知っておくべきです。
とは言え、更に突っ込んで「海外のSEO対策」までをするとなればそれは簡単ではなく私もその技術的な部分は専門外でまだまだ知らないことが多いです。
海外でも基本的にはGoogle対策となりますが、せいぜい自動翻訳や我々日本人の感覚ではないネイティブの言い回しや言葉選びでのライティング程度しかできないでしょう。(それでもやる意義は大きいと思います)
検索すれば海外のSEO専門の会社もあり、そうした専門家の知識に触れ、実際にサービスを活用することが必要でしょう。
例えば、こちらのサイトのページでは我々が気付かない詳細で重要なことが書かれておりとても参考になります。
BtoB製造業に特化したWebマーケティング会社ですが、観光業でも多いに応用ができます。
「テクノポート株式会社 ~海外SEO対策が難しい8つの理由・勝つための3つの戦略~」
また、私もよく参考にさせていただく有名なブログサービスがあり、位置情報変更でのシミュレーションについてはこちらでも紹介されていました。
アメリカ、日本双方の検索結果にあなたの地域や施設はどれだけ露出しているか?あなたのビジネスジャンルや都道府県名、都市名などで是非試してみて下さい。
欧州ではデベロッパーモードではロンドンとベルリンの位置情報がデフォルトで設定されています。
もちろん、Googleマップ上では任意の場所で右クリックすれば緯度・経度を抽出できますから、その数値での設定も可能ですから、関心のある方はなさってみて下さい。
(注意)デベロッパーモードでの操作は他サイトでも紹介されていますが、私自身はエンジニアではありませんから位置情報の他の項目を変更するなどは絶対になされず、使用にあたっては事故責任での実施をお願いします。
(個人的には業務で何度も実施していますが全く問題が生じたことはありません)
次も違う地域でこの比較をしてみたいと思います。
観光行政や民間オーナー、マーケター、営業などあなたのインバウンドビジネスの参考になれば幸いです。

