旅行・レジャー集客とWeb集客が出来る社内の人材づくり

観光市場との関わりを見つけるための「3つの視点」

観光ビジネスの3つの視点

Last Updated on 2024-03-25

  • 一口に「観光業」と呼ぶけれど、地域外顧客があるならみんな「観光業」
  • 地方にとって観光客は「待つ」ものではなく「誘致」する(できる)もの
  • 特にインバウンド市場はかつてない“意外な消費”の連続。斜陽分野こそ商機の可能性
<第1の視点> 「観光」という言葉に縛られない

「うちは観光業ではないから」と決めつけておられる方が結構いらっしゃいます。恐らく、レジャーでの観光を目的に、荷物を持って、ホテルや旅館を取って来られる正に画を描いたような観光客をイメージされていることがお話しをしていてよく解ります。

「観光業」と呼びますが、広義ではレジャーの観光以外の多くの方がビジネスの対象です。仕事の目的はもちろん、学校の研修や校外学習、お気に入りの飲食店があり通う、隣町に毎月用事があって車で通り過ぎる、習い事のレッスンに行く、病院に通っている・・・ つまりその町を交流する人(交流人口)全てが観光業の顧客となり得るわけですから、観光を推進するノウハウや知識はあらゆる目的の来訪客に通じることが多いものです。 

つまり、観光業と言うより、何と言うか決まった言葉がないですが、「交流人口業」ぐらいな気持ちで自分事にしていただき、観光業にまつわるビジネスの視点を持たれることで、ビジネスや趣味、通過するだけの人にも関わりが持てる可能性があります。

私など、毎月1回訪問する町がいくつかあります。クライアント企業がある町、お気に入りのスーパー銭湯がある町、美しい公園があり写真を撮りに行く町・・・、それらの町に、美味しい店や、ちょっとリラックスできる場所があることを何かの情報で知ったとすれば、ついでに立ち寄ったり、その町に行く回数が増えたりするかもしれません。

来訪を促すマーケティングとセールス活動そのものが観光業の業務と言えますから、八百屋さんも、花屋さんも、お菓子屋さんも地元の顧客以外の顧客を獲得しようとする時に、観光業のノウハウが必ず活かされるでしょう。

<第2の視点>  観光客(➀で言う、広義の交流客)は待つものではなく“誘致”するもの。

また、地方都市の事業者の方々と話していると共通して聞かれるのが「うちの町には観光客はあまり来ないから(観光客はあまりうちには関係ない)」「この町にはインバウンドはいないから(うちには関係ない)」というお話しです。これは、決まったように、何度となく耳にしました。

最初は「そんなことは決してないのに・・・」と思っていたのですが、どうやらわかったのは、観光客(日帰り含めて)が我が町やご自分の店に来る、来ないは“観光客次第”である、という考えのようです。つまり “観光客を自らが誘致する”という感覚は、地方に行けば行くほどかなり薄れてきます。

その最たる原因は、「観光とは(有名な)観光名所を訪ねるものである」という定義があるためです。もちろん、有名な観光名所は今の時代も多くの観光客の目的地ですが、このコロナで郊外や田舎もマイクロツーリズムで注目され、混み合う観光名所だけではなく自然のハイキングやキャンプに、小さなまちの知られない歴史文化など、地域の良さが再発見される時代です。

民間事業者ばかりではなく、この課題は特に地方の観光行政にも共通しています。もちろん、毎日、目の前に観光客がいる成熟した観光地とは違う地方では、観光市場に対する情報や感度が低下しがちですが、都市部の人混みが多い観光名所から脱出して地方に向かう可能性が多いにある時代となったことで、新たな気概を持ってもらいたいと思います。(有名観光都市周辺の郊外エリアは、私が見ると、観光ビジネスの商機が溢れたところが本当に多いです)

とは言え、そうした視点を今まで持つことがなかった事業者単体ではノウハウ吸収の時間や予算も限られますから、

地域の観光行政や観光協会、そして地方創生を牽引するための専門組織であるDMOの役割は大きいと感じます。

<第3の視点> インバウンド市場は何が起こるか予想もできない意外性の連続。豊かな発想、アイデアで。

扱う商品やサービスが時代の変化に対応しきれていない地域の小規模店をよく見かけます。老舗店、高齢の経営者さんであることも多いです。地域の顧客そのものが急激に減少し、次世代のニーズにあった商品開発と特に小売りではとても重要なWebの活用がままならない状況です。

しかし、日本人にとっては斜陽と言えるものも、リバイバルヒットをすることが現実に起こっています。そう、インバウンド市場です。19年までのインバウンド市場では、昭和の時代から変わらないスタイルのもの、SNS映えなどではなくても日本の伝統的な庶民の味や地方独特の日本らしい商品等、日本人の購買や訪問が下降線を辿っている商品が改めて注目され、中には正にブレイクしたものがいくつもあります。

それはモノやサービスだけではなく、見学施設などにおいても、予期せぬブームが巻き起こっています。例えば、京都の嵐山、岩田山にある数十年の歴史がある「嵐山モンキーパークいわたやま」などはその一つでしょう。私も小さな頃に親に連れて行ってもらった施設です。(半世紀前!)モンキーパークさんには失礼ですが、今の時代、「嵐山に行くなら絶対に行かなくっちゃ・・・」という施設ではなかったと思います。それがインバウンドで大ブレイクしました。特に自国にお猿がほとんどいない欧米豪に大人気です。私も自転車ツアーの仕事をしていた頃はファミリーの欧米豪のお客様の人気施設で、もはや外国人の子供はお猿以上に興奮していました!(もちろん親も)笑

前出した印鑑ショップさんの例も好例をつくれました。外国人の名前を漢字に変えて、その説明も加えて、きれいにパッケージして来日のプレゼントにする企画をしました。これは製作期間が必要ですから個人客は難しく、BtoBの旅行会社さんのご協力をいただき沢山ご購入いただいくことができました。

正に、観光業とは無縁と思われた小規模事業者がグローバルなインバウンド市場に参入できた事例です。

以上のように、 従来の“観光業”という既成概念ではとてもビジネスとして開拓できないことが多いのが今の観光業です。人の交流は、観光目的でなくても観光業として位置付けてご自身の商品、サービスに可能性を見出すチャレンジ精神がとても大切だと思います。

私もその年代ですが、特に、ベテランと言われる年代の経営者さん、営業部長さんなどは是非、机の上ではなく、ご自身が遊びながら考え、観察する時間を持たれると、新しいビジネスの発想が浮かんでくるかもしれません。

野原の足下に黄色いマツヨイグサ
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