旅行・レジャー集客とWeb集客が出来る社内の人材づくり

年々求められる観光事業者のWeb活用力 

Last Updated on 2024-12-28

日頃、旅行・レジャー集客に関わる仕事のなかで、顧客とのWeb上の接点づくりがますます重要度を増していると感じます。それでいて、経営側の方々や広報、営業担当者のWebに対する基本的な知識や運用のノウハウが十分ではない、或いは全く不足していることも少なくありません。

あなたの会社や組織の自社の資源、スキルでWebを最大限に活用できる「Web活用力」は果たして十分でしょうか?その問いに「WebのことはWeb制作会社がやってくれている」とお考えの方も多いでしょう。しかしWeb制作会社が観光の専門的なマーケティング作業までを行うことはほとんどのケースでなく(これは当然なのですが)自社が知識を持ちWeb制作会社とうまく連携、協業していくディレクション作業が必要な時代です。

自社のWebまわりのチェックや整備のノウハウは実に様々にあり、このサイトで紹介していきたいと思います。今回は先ず、観光業界とWebの変遷を少し振り返り、今後、何が大切なのかについて考えてみましょう。

|昭和~平成~令和へと、旅行・レジャー産業の集客は大きく変化した

オーナー系ホテルや飲食、小売り店など、昭和や平成の頃から事業を継続、拡大されている中小零細企業は数多いでしょう。創業者の多くはシニアとなられ「そろそろ事業継承を」とお考えの方も多いかもしれません。

しかし、順調な集客ができた時代を経て事業規模を拡大された事業者も昨今は「集客が過去のようにはうまくいかなくなったなあ」と感じておられる方も多いと思います。もちろん時代の変化でありますが、具体的な要因を考えることで今後の方針が見えることもあるでしょう。

➀旅行・レジャーに対する消費者の経済力が低下

言わずもがな家庭でも法人でも余暇の費用である旅行・レジャー費用は暮らしの中で優先度は高くありません。私達日本人の収入が上昇していけば問題ありませんが、日本の実質賃金(賃金から物価上昇分を除いたもの)のデータを見ても30年間ずっと上がっていないのが日本の現状です。

(内閣府発表データから森田観光ビジネスサポートが作成)

賃金が上がらない中でもレジャーの種類は多様化しました。

レジャー白書によれば、この10年間の余暇活動の種目では「複合ショッピングセンター」や「SNS等デジタルな交流」また、「読書」や「ウォーキング」「動画鑑賞」など過去にはなかった種類のレジャーがランクインしています。これらは比較的費用がかからないものであり、一人でも楽しめるといったことも特徴です。

➁極めて深刻な日本の人口急減

昭和の高度経済成長を支えてきたのは第2次産業を中心とした産業発展です。その生産や販売、消費を支えてきたのは増え続ける人口でありました。多くの勤勉な日本人のハードワークがこの日本を発展させたのです。

しかし、2010年を境に、日本は世界的にも希と言われる急速な人口減少のフェーズに突入しました。内閣府によればあと25年ほどで人口は1億人を切ると予測。既に観光産業の現場では働き手不足が深刻となり、今後はそれを利用する側の顧客の数も消費力も減退していきます。

(総務省統計局データから森田観光ビジネスサポートが作成)

日本人の国内旅行消費額は、ここ約10年間において約18兆円(2014年)から約21兆円(2023年)と伸びていますが、この先の少子高齢化においては、旅行・レジャービジネスへの影響は避けられないと感じられます。

➂旅行形態や市場の変化

最近よく言われるとおり旅行形態は「物見遊山の団体旅行からコト重視の個人旅行」へと市場が大きく変化しています。かつては、団体が訪れる観光地や移動ルート上の地域には定期的な団体需要が見込めたものですがそれも激減しました。

日本人の個人旅行化により減少した日本人団体にとって変わったのは韓国と台湾、中国といった東アジアの団体旅行でありました。しかし、それらの東アジア団体市場もLCC(格安航空)やOTA(宿のオンライン予約)の登場にともない年々、個人旅行化が顕著です。

そうした個人旅行の拡大を助長したのがオンライ販売でしょう。リアルの旅行会社にとって代わり旅行素材の予約販売を行ったのは言うまでもなくOTA(オンライントラベルエージェンシー)です。そのOTAの数も増え、更に、メタサーチという比較検討を簡単に行えるプラットフォームも登場し混沌とした競争の環境となっています。

個々の店舗では旅行会社やOTA同士の過当競争の中では自社の販売数も不安定となりました。旅行・レジャー産業に関わるあらゆる業種でますます自社が顧客をダイレクトに獲得する必要に迫られていると言えるでしょう。つまり顧客との接点となる「Web活用力」の重要性が更に増していきます。

|「Web活用力」の内製化時代

昭和、平成、令和へと事業を拡大されてきた事業者はインターネットの成長、拡大とともにありました。

1995年にWindows95が登場し、私たちの暮らしの中にインターネットが出現。その翌年に検索エンジンのYahoo!ジャパンがサービスを開始し、情報は媒体から受け取るものから自ら検索し探すことが始まりました。

その後、1997年にアメリカでGoogleが登場しその3年後にGoogleは日本語で利用可能になりました。

1996年に日立造船が立ち上げた「旅の窓口」(後に楽天トラベルの「ホテルの窓口」へ)を皮切りに航空券、ホテルや旅館、鉄道、アクティビティなどの旅行を組み立てる素材の全てがWebで販売されるようになり現在に至ります。

旅行・レジャー情報に関してもキュレーションサイト(情報まとめサイト)やトリップアドバイザーなどの旅行口コミサイト、体験販売、レストラン予約など多種多様なレジャーや食事の情報をスマホで簡単に手に入れられるようになり、旅行に関する検索結果の上位を占めます。これらのサイトは旅行・レジャーを計画する消費者の行き先や利用施設選びに大きな影響を与えるようになりました。

更に、日本のみならず世界中の地図情報の中で施設や店舗、スポットの情報、口コミを調べ、比較し、ホテルのメタサーチ(比較サイト)まで実装されたGoogleマップ(Googleビジネスプロフィール)は世界中の言語に自動翻訳され、ドライブ客にはカーナビと接続するだけでログインして蓄積した情報を車載で見られるなど、旅行・レジャーに対する利便性向上や旅客の選択肢の増加は過去とは比べようもなく充実しました。

それらの氾濫する情報に追い打ちを掛けたのがSNSとYouTubeなどの動画サイトの拡大。ビジュアルや視覚聴覚から得るダイレクトな情報は刺激的で直接的に消費者行動に影響を与え、バズる、映えるなどの一時的な流行も話題となります。それらは広告ではない口コミ要素も支持され旅行・レジャー産業と切っても切れない媒体となりました。

このように、旅行・レジャー産業に影響を与える情報媒体が氾濫しリアル店舗に行き着く前にWeb上で消費者と接点を持つことができなければリアル集客が望めないと言っても過言ではないのが現状です。

翻って、現在の経営者や組織のヘッドクォーターの方々が、もしそうした認識が薄いようであれば、それは現在の旅行・レジャー集客においてますます困難が増すかもしれません。

「Web対策なくしてリアル集客なし」もちろん、よほどのUSP(他社には絶対になり個性や魅力)があればWeb活用などは不要なのかもしれませんが、そのような施設や地域はどれほどあるでしょうか?

企業や観光行政においてWeb活用の対策は集客活動のベースとして運用の仕組みづくりを行うべきでしょう。

次回は、旅行・レジャー産業のWeb対策の現状や課題について触れたいと思います。

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