旅行・レジャー集客とWeb集客が出来る社内の人材づくり

観光業とWebマーケティングの昔からのビミョーな?関係

Webマーケティングは観光業界のアキレス腱だ

Last Updated on 2024-12-28

他の業界と同じく、観光業界においても今や顧客との接点はWeb上が大半。しかし、歴史も古いこの業界はWebとの親和性は決して高くはありませんでした。私個人も観光業との出会いとなった「ホテル」を題材に見てみましょう。

|ホテルは古くからBtoBマーケティングが基盤

ホテルの商品は大別して「宿泊」と「料飲」。昭和、平成と料飲部門の売上げシェアが高いホテルも多かったですが晩婚化、ジミ婚化でのブライダル需要減少や法人宴会の縮小で料飲部門に軸を置くホテルの経営スタイルも変化していきました。今では料飲施設の維持や人件費削減のため、料飲部門を持たない宿泊特化型ホテルの全盛期ともなりました。

では、ホテルの客室販売における手法ついて見てみましょう。それは昔からBtoBチャネルに重きを置いたものでした。

ホテル客室の“販売チャネル”は大別すると3つ

➀一般個人からの予約

➁企業や団体からの予約

➂旅行会社からの予約

ホテルによって異なりますが、多くのホテルは自館の客室の多くを旅行会社に預けて販売していました。その数、全室数の半数以上というホテルもあり、世の多くのホテルは旅行会社ありきの運営でした。つまり“自社が自力で販売する”という感覚や認識は希薄でした。私もホテル営業時代、海外営業に出ていましたが、それはつまり海外の旅行会社へのセールスコールでした。

➁の企業や団体では割安の「コーポレートレート」の契約先を一つでも増やすことに注力していました。つまり、出張者である出張者と接点を持つというよりも、企業の窓口である総務部や各部署の事務担当の方が需要をまとめ予約を集約してくれたわけです。

このように、ホテルの客室販売は、その販売チャネルはBtoBであり、言わば、旅行会社や企業が集客をしてくれたわけです。その時代を過ごしてきた管理職層のなかで代理店依存型の感覚が何となく今でも息づいているように私は感じています。また、そうした層の年代の方と接していると、Web全般(もっと言えばPCの基礎すら)がアキレス腱であることもしばしば見受けます。

|ホテルのマーケティングの変化

そのようなBtoB主体の集客が通常であったホテルですが、現在は、そのマーケティングは大きく変化しました。

その変化の最大の要因と言えるのが言わずもがなOTA(Online Travel Agent)の登場です。

長年、旅行会社の店頭、書籍、駅構内の案内所、電話がホテルと顧客の接点であったわけですが、その接点が「Web」に取って代わった瞬間です。正にホテル経営のゲームチェンジャーだったと言えるでしょう。

次に企業や団体からの予約では契約でコーポレートレートの特別価格を設定していましたが、その固定レート方式が難しくなったのがホテルでの「ダイナミックプライシング」の登場です。常に変動する需要と供給に合わせる変動価格はいつの間にかホテル業界ではスタンダードとなりました。企業や団体側も出張者がいつでも自由にOTAでホテル予約が出来る時代として手続きも変化しました。

そうした大きな変化に直面したホテルは更に次の段階へと変化に迫られています。
磐石なOTAも過当競争の時代に入るとともに、更にメタサーチ(価格比較サイト)やインターネットの覇者Googleがトラベル事業へ参入し、Googleマップ上でのホテル予約を開始するなど状況は混沌としています。

ホテルも新規顧客獲得が年々困難な時代LTVを高めることが必要な時代に突入

|自立するホテルしか生き残れない?ダイレクトマーケティングの時代

話しは長くなりましたが、そのような状況下でホテル自体が生き残るためには、かつてのような代理店に依存していては部屋が埋まりません。そう、自身のWebサイトで「直販」を行うダイレクトマーケティングの推進を余儀なくされてきたのです。

頼りにしていたOTAと競合する宣言こそがホテルの公式サイトにある「公式サイト予約は最低価格保証」という言葉です。ホテルが代理店脱却を目指したはじめての意思表示だと思います。

これは手数料の削減もありますが、それよりも中長期でホテル需要を見た戦略でもあります。

それは日本で起きている急速な人口減少です。新規顧客を獲得するコスト高と何よりもその人口が減る今、1人の顧客が生涯、自社をどれだけ利用してくれるのか?というLTV(Life Time Value)を意識せざるを得ない時代に入ったわけです。つまり、自社サイトやアプリで予約をしていただくことの価値は何よりも高くなりました。

これは、ホテルばかりではなく旅館はもちろん、入場施設やタクシー会社、お土産や体験処、飲食店などもそれには変わりなく、各社がこの10年ぐらいで一気にマーケティング手法を変えないといけなかった訳ですから、Webマーケティングの意識や知識が不足して当たり前なのが観光業界と言えるでしょう。

ここまでの変化はあまりにも急速で、2,3年でも現在の手法が通用しないほどの変化に晒されています。
しかし、その基盤となるのはやはり「Web」であることはこれからも大きく変わらないと思います。
(交通やホテル、レジャー施設の連合全てが年間サブスクで・・・のような時代が来るのかもしれませんが)

Webマーケティングのアキレス腱を取り除くことこそがこの業界の喫緊の課題と私は感じています。

今日はここまでです。

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