Last Updated on 2024-12-28
静岡県、富士山のツアーに関する話題です。
静岡県と言えば富士山が思い浮かびますが、富士山は今や訪日外国人客にも大変人気です。
晴れた日の新幹線の車窓から見える富士山を見ると私もいつも心がときめきます。
さて、富士山と言えば「登山」 近年、その人気から軽装で登る人もいて問題にもなっていますが、この地元紙の記事タイトルには「富士山下山ツアー」とあり目を引きました。
登山やマラソン、サイクリングにトレッキング、ウエルネス志向の高まりもあって、旅先でスポーツや野外での運動を取り入れた観光、レジャーの企画も増えました。
私も過去に京都で自転車観光の仕事をしていてよく解るのですが、それらの共通点としてあるのが「達成感」です。体を使いチャレンジした後の心身で感じる達成感はとても満足感を得られる瞬間です。
しかし、そうしたチャレンジもアクティビティの強度によっては、年齢や体力、得手不得手など、そもそもスポーツが目的ではない観光市場全体においては実行する旅行客は限定的で、憧れの気持ちがあっても実行できない人が多いのは想像に難くありません。
私も自然散策は好きであちこちに行きますが、さすがに富士登山となればなかなか実行には至らないと思います。
これからはミレニアル、Z世代が観光の主役と言っても、人生100年時代、ミドル、シニアも旅行客として存在します。
登山の経験もなければ不安も多い富士登山ではなく5合目であっても非日常が味わえ、普段の暮らしにはない景色、空気を感じながら下山していく。
「考えてもしなかったけれど、そんなツアーがあるならば」と心が動く人はたくさんいると思います。
この記事を読んで思い出したことがあります。
私はかつて京都で自転車アクティビティの仕事をしていましたが、京都市内から10㎞以上の北部山間にある「大原」(京都大原三千院♪)から自転車で京都駅まで下る「京都大原自転車下り」を商品化しました。
発想は京都の西にある保津川下り。船は嵐山に到着しトラックで上流の亀岡に運びます。自転車も京都駅から専用のバンで大原に運べばよいと思い、京都の東は船ではなく自転車でと思ったわけです。
大原の旅館「大原山荘」様とのタイアップで実現しました。今はないですが、とてもユニークな商品だったと自負しています。
足湯カフェもあって、とてものんびりできる大原山荘さん
出発地点の大原から帰着地点の京都駅との距離は約18㎞、その標高差は何と約170メートルもあります。南に行くのはほとんど下り基調ですから、想像よりも楽に京都市内を楽しみながら自転車散策ができるわけです。
アンケートなどの結果から、このプランでは多くの旅行客が30㎞ほどを走行していたことがわかりました。思ったより楽なので市内のあちらこちらを巡って観光されていたわけです。
これは商品の狙い通りでした。市内で自由度が高い自転車は面の観光が可能であり観光消費も面で行われます。
富士下山の企画では、体力と時間の軽減、一般客の利用があることから山麓のお店などの利用も誘発することを狙いとされています。これは正に理にかなったことだと思います。
運動系、スポーツ系の観光素材は、それを1から10まで楽しむことに限定すると一気に市場が縮小することを考えなければ観光施策として成立しません。
もっと自由でソフトな発想で!その一部分を楽しめる、体力がなくても、時間も費用も専門知識などもたっぷりなくても楽しめる。難しく、固いことばかりでは遊びでなくなるのです。その傍らで「学びのツアー」なんかもがより動機も沸いてくるというものでしょう。
この1から5までだけを楽しむような設えも同時に行うことで正に持続可能な観光プロダクトとして継続していけます。
あとは、これをしっかりマーケティングして効果的に発信(特にWeb!)していけば、必ず広い市場で関心を持ってもらえるプロダクトだと感じました。
富士山麓5市町の観光協会で構成された「しずおか富士山利活用推進協議会」の皆さんの素晴らしいアイデア。成功に期待したいものです。

