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観光ビジネスに関する溢れる情報の見分け方 自社にとって役立つ情報とは?

溢れる観光ビジネスの情報を精査する

Last Updated on 2024-03-25

世界を襲ったパンデミックは観光産業にあまりにも大きな影響を与えました。しかし、ようやく長いトンネルも抜け、外国人観光客も多くが日本を訪れています。

訪日外国人の復活と共に再び目にするようになったのがそれらの市場に関する情報の数々です。しかし、それらはどちらかと言えば既に目の前に多くの観光客が滞在している都市部のことであったり、事業ジャンルによっては無縁のものであったりもします。情報を受け取る事業者は日々の溢れる情報に対して情報の精度や重要度、自社との関連度を見極めることが大切です。

2023年に再び観光が始動 2019年の実績を目指せ

日本の急速な人口減少、少子高齢化にともなう地方の衰退が懸念されるなか、各地の交流人口を拡大し消費を拡大していく観光は日本の経済対策の一つの柱に据えられ、特にインバウンドの拡大による外貨獲得はこれからの経済対策の切り札とも言われ取り組まれています。

その成果は大きく現れており毎年拡大。コロナ前の2019の訪日客数は3188万人、外国人観光客数としては世界で12位、アジアでは3位にまで成長しました。


また、経済対策として大切な部分である観光消費額においては、訪日客全体で4兆8135億円に上り、これは日本の輸出品目として自動車に次ぎ、もはや国の基幹産業になったと言えるでしょう。

国内旅行においても変化が起こりました。旅行自体が敬遠されたコロナの間、星野リゾートの星野氏が「マイクロツーリズム」を提唱。近隣圏の良さを再発見する手軽なおでかけから徐々に国内旅行も復旧してきたと言えるでしょう。

風通しも良いキャンプやアウトドアレジャーも着目され、トラベルとアウトドアの領域が融合。それらはグランピングブームも後押しするに止まらず、各地のキャンプ場も賑わいを見せ、ソロキャンプ人気は今でも続き、量販店のアウトドアコーナーが軒並み拡張されました。

コロナが終息に向かうにつれ、人々の観光行動は更に活性化。観光事業復興の気運は勢いよく上がり、日々、ネットやTV、雑誌などによる観光にまつわる情報と観光事業者に向けたビジネスのトレンド情報が飛び交っています。

特に、インバウンドは日本人気から急増し、毎日と言っていいほど各所のインバウンドの盛況ぶりを伝え、同時に、観光ビジネスを推進する行政や事業者に向けたトレンド情報として拡大されるようになってきました。

観光事業のキーワードはどこからどうして生まれるのか?

国の施策としても進められる観光振興。それにまつわる全国の観光行政や民間事業者に向けて多くの情報が発信されます。各地のニュースとともに、世間や業界において注目すべき市場のトレンドを伝える「キーワード」は流行のようにメディアで連鎖することがよくあります。

それらのキーワードは誰が考えるのかは知りませんが、国の機関だったり、或いはメディアだったり、それとも一記者がどこかの事象を捉えた言葉なのかもしれません。

また、一部では旅行者から拡大することもあります。SNSで映える観光スポットなどの情報発信元は一人の個人かもしれません。例えば、日本各地のウユニ塩湖的画像は日本の各地で登場したことでしょう。

メディアで取り沙汰され観光ビジネスに関わるキーワードは次々と生まれて、そしてやがて消えて行く。その繰り返しでもあります。

爆買い、体験コト市場、ミレニアル世代、ワーケーション、SNS映え、サステナブル、SDGs(これは実は日本以外ではこの言葉はあまり認識がないと言われていますが)、アドベンチャートラベル、サイクルツーリズム、高付加価値商品、富裕層、ととのう、観光公害、オーバーツーリズム、没入型体験…

そして、ウエルビーイングなどが、服の流行のように、次も決まっているようにも書かれています。

もちろん、観光だけに特化したキーワードではないものもありますが、関連のメディアやセミナーの告知などでは「今のトレンドはこれですよ!さあ、遅れを取らないように」と観光市場のこともよく理解されていない会社や人がつくったのであろうクリエイティブにも出くわします。

キーワードは自社のビジネスにどのように関わるのか? 観光事業者に必要な情報の見極め

では、観光市場をビジネスターゲットにする皆さんは毎日溢れる情報にどのように対応していけばいいでしょうか?いくつかの項目に分けて見てみましょう。

➀自社の地域に適応できる情報なのか?

特にインバウンドのトレンドに関してのキーワードは多いものです。しかし、それらは日本中のどこでも万能ではありません。それを判断するには先ず我がまちの旅行客の来訪状況を知り、地域の特性を知ることが大切です。突然新しい市場など都合良く誘致できるものでもないからです。

インバウンドであれば大きく、欧米豪と東アジア、東南アジアとある程度嗜好や求めるものが違います。また、それらが訪問する地域や都市も空港の条件などによって全く異なることは他のページにも書いた通りです。

実際に地方の仕事で何度かあったのですが、自分達のまちにどのような国・地域が訪問しているのか?という情報を持たず、とにかくインバウンド向けに何かコトをつくれば自然に旅客がやってくると思っている方もしばしば見受けました。

「これは欧米豪向けの体験だなあ」と思いオーナーに聞くとやはり「ターゲットは欧米のお客さんです」と返事。しかし、そのまちに来る(観光素材もあるので)旅客はほとんどが東アジアであり欧米豪は全くと言って来ていないまちだったりします。

普段、観光ビジネスに親しみがない方にとってはこうした基本的な自社のエリアの理解が最初にできていないケースは少なくありません。

では、どのようにして情報を取得すればよいでしょうか?
自身の地域にどのような国・地域が多いのか?或いは周辺の市町村はどうなのか?それを知るための情報はやはり統計です。

このサイトの他のページにも書いていますが、サンプル数が多く調査精度の高い統計を参考にすることが大切です。もちろん出入国時に管理、カウントされる訪日客数以外は正確な数字ではありませんが、国や大手のシンクタンクの調査は大規模で長期間をかけることが多いため大いに参考になるものです。

基本的に見ておくべき統計は以下の統計です。

観光庁 訪日外国人消費動向調査

DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査 ※コロナ前の19年版にリンクしています

JNTO 日本の観光統計データ 

➁キーワードにまつわる商品やサービスを考えれば果たして旅客が来てくれるのだろうか?

アウトドア、キャンプなどがブームだからと、いきなりキャンプ場を設営する投資を考えてしまう。

サイクリングが人気だからと、いきなりサイクリング好きの人に話を持ちかけてみる。

高単価商品が売れると、店舗やサービスに沿わずそこだけ浮いたような商品を開発しようとする。

他にもいろいろとありますが、そのキーワードに関するモノコトづくりだけを短絡的に考えようとする人は私の経験上でも少なくはありません。

特に事業の経営者の方はせっかちな方も多くて(経験上)すぐに「じゃあ、○○○をつくればいいのやな」って・・・「いや、社長それはちょっと段取が要りますよ・・・」ということになります。

ワーケーションがいくら推奨されていても、それが多くの地方の観光事業者のビジネスになっているかどうか?それを先ず考えるべきであり、そうした方たちは「それならうちは○○○の場所が空いているから、そこにワーケーションの設えをしたらいいな」となるわけです。肝心なのはその市場が果たしてエリアや自社に可能性があるのかどうか、つまり集客できるのかどうかが最初の検討事項です。

➀の項目で見た自社の市場の状況と、商品やサービスを買ってくれるお客様が誰なのか?どこから来るのか?そうした最初にすべきマーケティング作業が多くの方で抜けています。

これは、観光行政の事業でもしばしば見受けます。

➂「活字は踊るもの」あなたが踊らされてないか?

メディアの活字は踊るものです。Webや新聞の活字だけではなくTVの短い報道ニュースとて同じです。
私自身、以前にメディアの仕事もしていて、特に、そうした言葉、文章を生み出す「構成」の仕事をしていました。

報道原稿などは短文であるが故、かえって文章作りは難しいものですが、解りやすさを考慮することが重要であると同時に、やはり単語や言い回しに関して「インパクト」を考えることが必ずありますし、報道は理路整然と伝えるのが基本とは言え世間の注目を浴びないといけない時代です。

そういう視点で観光にまつわる取材で出来上がった記事やコラムなどを見ると、それを書いた記者や構成担当の方の気持ちも解ります。しかし、そこにはやはり「ちょっと誇張していないか?」「業界的にはそこが重要ではないのだけど?」中には、「え、そこ?」というのも正直あります。

読んでると普通なのですが、例えば

「○○観光が今大人気」

「○○の入場者が昨年より倍増」

「○○市の○○観光がいよいよ発進」

「外国人のモニターツアーで大きな反響」

「止まらない爆買い!」・・・

まあ、いくらでもあるわけです。

これを見て

「へー、我がまちでもやらなければ!」

「やっぱり○○の商品をつくれば売れなら簡単そうだから早速考えよう」

「うちも外国人のモニターツアーをすればインバウンドが来るのだろう早速予算を取ろう」・・・

まあ、そうした反応もいくらでもあるわけです。

その逆にネガティブなこともメディアではその主旨が強く表現されることも日常です。

例えば、今、世界のいくつかの都市でも深刻なオーバーツーリズムについても、出て来る映像や画像は決まって人が多い観光地(例えば京都の清水寺や祇園界隈、嵐山など)を遠目にズームで引き寄せ「映像や画像の圧縮効果」を出し、とても混み合っている状況が強調されます。(圧縮効果は検索してみて下さい)

これは仕事内容の主旨を効果的に見せるためにプロのカメラマンとして当たり前の撮影であり、私がカメラマンだったとしても必ず同じような機材と画角で演出するでしょう。それが彼らメディア会社の当たり前の仕事なのです。

また、それを見て「うわー、こんなのがうちの町に来たら大変だ、インバウンドなんかやるもんではない」などと考える首長などいない、、、とは、私は言い切れないと思っています。
(そういうことを見てきました)

➃何事も真実は現場にある

例えば、オーバーツーリズムの画像や映像1つにしても、真実は現場にあります。また、様々なトレンドワードや報道のいかにもお客で溢れているようなニュアンスが実際どうなのか?その町がいきなり外国人で溢れているのか?の真実も現場にあります。

「○○体験をはじめてから来館者が昨年より倍増」と言うのが事実でも、大きな施設なのに昨年は1日に30人ぐらいだった(それが60人ぐらいになっただけ、でも事実)という事例も私自身は見ました。(地方では多いでしょう)

現場に足を運べないのであれば、様々に検索してみることでしょう。今は、そうした地域や対象の施設の情報もあるでしょうし、何より、X(Twitter)、フェイスブックなどのSNSで検索してもそれほど人気なら誰かが口コミや投稿もしているはずです。

もちろん、そうした事象に詳しい知人や関係先、或いは、内容によっては専門家にアクションを起こす前に聞いてもらうことが大切です。

その他にも情報への対応の仕方はいろいろとあると思います。
「情報が全て」などとも言われる現代のビジネス。経営側にとって大切なのは「スピード感ある対応」であるのは百も承知です。しかし、そのトレンドと言われる報道などのキーワードが自社のビジネスとどのように関わりメリットを享受できるのか?ということを考えずに最初のボタンを掛け間違えば旅行者はいつまでもやってきません。 

何事も疑ったり慎重になってばかりではいけませんが、観光のモノコトづくりは「急がば回れ」の精神で確信を持ち進めるべき。

その基礎となるのは市場獲得のための基本的な知識とノウハウ。それらを経営者や中枢の担当者が常に意識して、商品やサービス、地域経営の計画づくりをしていく事がなによりも大切です。

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