Last Updated on 2024-03-25
インバウンド市場は単純ではなく、国・地域や訪問形態によってまるで対策が違うもの。
ついつい、我が町のコンテンツばかりに着目して、即、その開発に着手・・・
その前にじっくり考えるべきこと、それがマーケティングであるというお話しをしましょう。
|地方のインバウンド、その実体
長らく1千万人にも達しなかった日本の訪日客数は、コロナ前の2019年には3000万人を突破しました。
同年、世界中での国や地域で外国人観光客を3000万人以上受け入れている国はたった13しかありません。
(ちなみに日本は12位でした)
今では「インバウンド」という言葉も、もはや誰もが知る言葉となり、もはや訪日外国人が訪問していない都道府県はありません。
しかし、47都道府県の多くの市町全てで訪日外国人をよく見かけるでしょうか?あなたの街ではどうでしょうか?
公的な統計を見ると相当に訪問されているようですが、駅前を歩いていても、まあ見かけない街が大半ではないでしょうか?私が住む街は何と京都から電車で10分なのですが、そのJRの駅前は京都とはまるで空気が違います。
そう、インバウンド施策が進められる日本でも、その地方の多くでは、その実体を見聞きしたこともあまりなく、もちろん、外国人と接触する機会も相当に少ないのが現状です。(もちろん、過去よりはあるでしょうけど)
|あなたにとって「インバウンド」のイメージとは?
TVニュースでは「街では訪日外国人が多く訪れ・・・」
Webでは「御社はインバウンド対策が十分ですか!」
官公庁の公務事業では「インバウンド向け体験コンテンツの・・・」
知っていると思っている「インバウンド」も、実は地域や人によって、イメージしているものが随分と違います。
皆さんは何を直感しますか? アメリカ人、ヨーロッパ人、台湾や中国、韓国のような東アジアの人、それとも中東の人・・・ バスに乗って来る団体・・・ リッチで優雅にラグジュアリーホテルに泊まる人・・・
皆さんの組織の会議メンバーが共通の議論をしているようで、実は、考えているイメージが全く違うかもしれません。
違っているならまだ良いですが、実体が解らず、どこからやってくるのかも解らず、ただただ、我が街のPRを声高にPRしているだけだとしたら・・・ これは実に笑えない、私もリアルに出会う事象です。
|「旅客流通を捉えた」誘致施策が大切
インバウンドが一括りにできないことは、国・地域や言語が違うわけですから、その国民性や価値感、食べ物の好みや日本への関心が違うことは皆さんも容易に想像ができると思います。(実は、これらの違いすら意識できていない振興プロジェクトさえ実際にあります!)
しかし、観光施策や事業をビジネスレベルで進行していくには、更に突っ込んだプロらしい視点が必要です。
それは訪日外国人の流通経路や、目的、形態の違いや、皆さんの地域のロケーションなどから生じる受け入れる地域の特性などの違いです。市場をマクロの視点で広く俯瞰してみることが先ず大切です。
例えば、
「流通経路」では、海外の旅行会社を経由したり、個人がインターネットで航空券とホテルを予約したり、そもそもの訪日旅行の第1の接点すら異なります。旅行会社と一口に言っても東アジアや欧米、そして豪州と様々に商習慣も違い、また、国内のランドオペレーターも鍵となる市場も多く存在します。厳密に言えば、中国、韓国、台湾、香港と東アジアの4国にしても、それぞれにビジネス形態が違い、全くアプローチの方法が違ってきます。
「形態」では、大きく個人旅行と団体旅行の違いがありますが、団体と言っても、募集旅行の個人の集まりから、企業や団体のMICEもあり、更に、教育旅行なども受け入れる側とすれば特殊な形態です。昨今は「スモールグループ」と呼ぶ、10人足らずからせいぜい20人程度までの正にその名の通りのグループも数多く存在します。
「受け入れる地域性」とは、まさしくその地域の条件そのもの。広い日本で訪日外国人がその地域を訪問してもらえる可能性と言ってもよいでしょうか。やはり島国である日本は基本的に「空港」が基点ですから、空路が大きく影響するのは言うまでもありません。(もちろん、九州と韓国は航路での往来が盛んですが)
|地域性の実例
例えば、日本人にも訪日客にも行きたいディスティネーションとして人気の北海道の空港は新千歳空港ですが、実に欧米豪との直行便はなく、欧米豪をターゲットにする場合は、羽田や伊丹、中部のセントレアなどからの国内線経由で物事を検討する必要があったりします。(欧米では、ホノルル線とヘルシンキ線は今後も再開されるかもしれません)
ニセコには冬になるとハイエンドな欧米豪人が”ジャパウ”を楽しみに集まり、それが北海道の印象になっている方も多いと思いますが、それはニセコの一部分の話しなのです。
北海道は極端な例ですが、では、欧米豪の旅客が特に多い京都市(京都ではなく京都市です)の周辺、ぐるりと電車で1~2時間程度の移動距離の地方都市は、その駅前に訪日外国人がいなくても、目的があれば京都市内から電車でやってくるルートづくりなど全く現実的です。私の仕事が多いのもそのエリアで、既にそうした実績は各所であります。
|「来るまで待とう・・・」ではいつまでも来てくれない
地域に入っていくフィールドワークでは、地方の自治体や事業者の方から様々なお話しをうかがいます。
そこで多くの方が思っておられることに気付きました。それは、訪日客が我がまちに”来る、来ないは風任せ”のような実に主体的では何もできないように思われていることです。
ここまで書いたことは、それぞれの訪日客には、動機やルートや形態が必ずあるという事実。つまり、それらに沿った地域の観光の楽しさや希少さ、体験や、施設やサービスで彼らの関心を高めることができます。
そのことを効果的、効率的に認知してもらう仕組み(ここが無くてはどんな良いコンテンツもないに等しく、とても重要!)を考え、実行することで「誘致」が出来ることを地方の方にも知ってほしいと思います。
そして、その作業は、広告会社や旅行会社の手を借りることも大切ですが、これほどにインターネットが身近になった今、自らの手でできるようになったことが、一昔前より相当にたくさんありますので、夢がある時代となりました。
「うちのまちには外国人観光客なんて来ないよ・・・」と「来るまで待とうガイコクジン・・・」と家康風では、少しペースが遅い時代です。ちなみに、信長風はダメですよ!笑 秀吉風「来させてみよう・・・」で!
では、そのややこしそうな???マーケティングとは、一体どんなものが?
今後、それらの詳細などもここに書いてきたいと思います。
今日は、ここまでです。

