Last Updated on 2023-09-24
(前回からのつづき)
制作プロダクションとは、TVや企業の映像を企画して制作することがメインの仕事ですが、イベントを管理する業務などもあります。私のデビューはそのイベント業務。そして、それは今も決して忘れることはない自分では衝撃的なものでありました。未だにそれを超える衝撃はあまりない気がします。笑
それは地域の大型スーパー(滋賀県には県民御用達の「平和堂」というスーパーマーケットチェーンがあります)での子供向け番組の仕事で、TVの収録とクリスマスイベントを同時に進行する仕事でした。
そこで命じられたのは何と子供向けステージでのサンタクロース役!
これを言い渡された時はさすがに意表を突かれた感じで「え?マジで?」と一瞬固まりましたが、隣の同時期の新人はトナカイを言い渡されていて「まあ、トナカイより良かったか・・・」と相変わらずの常に前向きの性格を発揮してしまっていました。笑 まあ、これも後で思えば、最初に打ち破るべき壁を経営者が置いてくれたのかもしれません。
しかし、不思議なことに何とも楽しんでいる自分がいて、何だか今までの過去が吹っ切れた感じでした。若き頃、バンド時代に味わったライブハウスのステージを彷彿させるエンタメ魂?のようなものがメラメラと湧き出たのでしょう。“演出して人を魅了する” こんな楽しい作業はありません。
衝撃のステージデビューを果たしたわけですが、普段の仕事は、外部の営業とともに内部では業務の進行マネジメントでした。クライアントと自社クリエイターたちの間で進行管理をしていくわけです。
クリエイターという人たちは、言わば、そこらの会社員とは違って左右の脳みそを1対9ぐらいの割合で使っている?人たちですから、何といいますか宇宙人のような存在なわけです(すいません、クリエイターの皆さん)だからこそ非凡?なわけでしょう。と言っても、今思えば、彼らは何も考えていないような時でも、制作すべき映像をずっと頭の中で静かに組み立てていたのだと思います。
そのマネジメントたるは、大げさですが”猛獣使い”みたいなとこがありますが(笑)彼らの頭の中は“計算づくし”だと今は思います。動画は今や機器やアプリが発達して誰でも安直につくることはできるのですが、やはり映像制作には基本とノウハウがあり、それは彼ら宇宙人レベルの構成力があってこそちゃんと成形されます。
一見、お洒落でシックな素人制作の映像は観光業界でも沢山見ますが、結局、良く解らない、心に刺さらない、何のビデオだったっけ?というものがあちらこちらにあります。機材マニアのような制作者ではない、あらゆるジャンルで経験を積んだ制作者の力は今後、観光の世界でも必要だと思います。特にTV映像を経験したかどうかは、広い意味での技術レベルにおいて、かなり分岐点になることを知りました。(ここは本当に大きいです)
こうした職種はご存知の通り時間的にも綱渡りみたいなところがあって(特に報道など)人の手が足りないことも多く、ニュース素材や番組のインサート映像(挿入用のワンシーン)のロケなんかは私がカメラを持って一人で走り回ることもしばしばありました。ディレクターが編集しやすいような“カット割り”を考えた撮影をするのも、最初はなかなか簡単ではありませんでした。
撮影だけではなく、制作はズバリ文章作成などの国語力です。CMの構想や構成、キャッチや訴求、企業用ビデオの構成台本など、とにかくライティングの仕事はとても良い経験でした。映像の構成作家というのは、右の脳だけではダメで「映像を想定してのライティング」という、左右両方の脳みそがフル回転するような器用な思考が必要で、正に知的宇宙人と言えるでしょう。
こんなことで走り回っているうちに、撮影技術などクリエイティブの基本、ロケや収録の全ての段取り(全体行程や出演者などのマネジメント)や、何よりも、ナレーションなどのライティングについて他では決して学べないことを多く学ぶことができました。学ぶというより、あまり余裕が無かったですから“鍛えられた”感じでしょうか。
そうしたあらゆる作業が今の観光ビジネス支援の仕事においてはかなり役だっていて、ホテルの商品やWebのコンサルティングなどでは欠かせない部分です。観光事業者がますます磨きをかけなければならないのが「ビジュアルとライティング」の技術でしょう。
このように、クリエイティブの会社は私にとってはかけがえのないとても貴重な勉強をさせてもらいました。経営者の方やかつての同僚、愛すべき猛獣のようなディレクター、AD諸氏には本当に感謝です。
これからは、是非、制作プロダクションやTV局も、観光業界でその力を発揮してもらいたいなと思いますし、私もつなげていければと思います。(必ずマッチングできます)

